住宅ローンで土地資金は借りられますが、色々注意が必要

住宅ローンって、その名のとおり家を建てる、或いは買う為のローンであることはわかるのですが、じゃあ土地を買うのに使えないのか?と言いますと、住宅を建てるという前提であれば、土地購入資金を住宅ローンで組む事ができます。

 

でも、銀行によってはできないところもあります。例えば⇒住信SBIネット銀行の住宅ローンの場合、明確にできませんと買いてあります。(土地のみの場合だと買えないという意味で、例えば建売のように、土地と建物を一緒に買う場合ならOKです。)ネット銀行だと土地と建物を一発で所有権移転できるようなパターンじゃないとできない場合もあるみたいですね。これは後述しますが、つなぎ融資そのものがありませんし、つなぎ融資をやろうと思うと建築確認申請やら建築請負契約書の確認や、建物の上棟時とか完成時の現地確認が管理できないからでしょう。遠方だとコストもかかってしまいますし。住信SBIネット銀行の場合はフラット35にもつなぎ融資の取り扱いはないのでちょっとびっくりです。

 

地銀、信金や、メガバンクなど、普通の金融機関なら、住宅建築目的で土地を先行して買うっていう場合、当然に住宅ローンは使えます。

 

私が以前勤めていた銀行のやり方はこうです。まず、土地購入資金の審査において、建物建築費用の資金計画を作ってもらいます。

 

簡単ですが、こんな具合に。

 

【土地購入時 資金計画】 単位:万円

運用

調達

土地購入

1,000

住宅ローン

1,030

諸費用

30

 

 

合計

1,030

合計

1,030

【建物建築時 資金計画】

運用

調達

建築資金

2,000

住宅ローン

2,000

諸費用

100

自己資金

100

合計

2,100

合計

2,100

 

そうすると、住宅ローンは土地と建物を合わせて3,030万円になります。銀行の立場からすれば、将来家を建てる時に融資する金額を決めた上で土地資金を貸しますので、土地と建物を合わせた3,030万円として審査します。そういう事にしておかないと、土地は買ったは良いものの、建物の建築の際にいくら資金を貸してくれるのか予定が立てれません。

 

上の計画例から言いますと、将来2,000万円の家を建てるという事でOKになっているとしたら、建物資金が将来2,000万円の融資であればOKですよ、と言われるはずです。計画が変わって、やっぱり3,000万円を借りたい、となった場合は再度審査となりますし、その場合3,000万円借りれるかどうかはわかりません。銀行にしてみたら、当初の計画では2,000万円の家を建てると言う事で土地資金融資をOKしたのだから、後から計画が変わって3,000万円を貸してくださいと言われても責任持ちませんよ、という事になります。計画変更はよくあることですし、若干の変更ならOKかと思いますが、あまりにも金額が増える場合は借入希望額に満たない可能性が高いでしょう。

 

↓私が以前いた銀行では、住宅ローンで土地資金を融資する場合、将来建てる家の資金計画を提出して頂いた上、実行の前には念書を頂いておりました。内容はこんな感じです。

 

「大体、何年何月何日までくらいに家を建てますので、将来家を建てたら土地に付けた抵当権に追加担保します。」
「契約不履行があれば直ちに債務を弁済します。」

 

みたいな感じだったかと思います。

 

他の銀行だとどうかと言うと、やりかたはそれぞれですね。

 

三菱東京UFJ銀行の住宅ローンでも土地購入資金は借りられますし、

 

フラット35でも資金使途は下記のようになっています。⇒ARUHIのホームページ

 

新築住宅
住宅建設費(土地取得費を含む)または住宅購入価額が1億円以下(消費税込)の住宅

 

土地の取得時期が申し込み日の前々年の4月1日以降である場合に融資の対象になります。

 

申し込み時点において、竣工から2年以内の住宅でまだ居住していない住宅

 

但し、土地融資の際に住宅ローンになるのか、つなぎ資金になるのかが、銀行によって取扱が違ってきます。

 

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住宅ローンのつなぎ資金って何?

住宅ローンのつなぎ資金についてです。

 

例えば、フラット35の場合、土地を購入、建物が完成後にしか資金が下りてきませんので、それまでつなぎ融資を借りて支払いに充てます。
最後のフラット35資金交付資金でつなぎ融資金を回収するという仕組みです。

 

例えば、

 

土地購入 (第1回目つなぎ資金)

建物上棟時支払い(第2回目つなぎ資金)

建物中間資金支払い(第3回目つなぎ資金)

建物完成時支払い(フラット35資金交付にて、3本のつなぎ資金を返済、最終資金支払い)

 

というような感じです。

 

土地、建物に対しての抵当権設定(不動産担保の登記)は最後の資金交付にやりますので、その間は無担保でお金を借りる事になります。じゃあその間、銀行が何の担保もなしで融資をするのかと言いますと、実はこのつなぎ資金(手形貸付)には住宅金融支援機構の保証会社の保証がかかっていますので、銀行にとってみればリスクはありません。つなぎ資金融資の支払い利息の中に保証料が含まれております。ですからつなぎ融資の金利は若干高めです。

 

一般の銀行では、恐らく土地購入時には抵当権を設定すると思いますが、建物資金は完成後しか住宅ローンができないという銀行が主流かと思います。

 

土地購入 (住宅ローン実行 抵当権設定)

建物上棟時支払い(第1回目つなぎ資金)

建物中間資金支払い(第2回目つなぎ資金)

建物完成時支払い(2回目の住宅ローン実行、土地建物に2番抵当権設定、2本のつなぎ資金を返済、最終資金支払い、第1順位に建物を追加設定)

 

というような感じでしょうか?

 

 

 

 

私が勤めていた銀行の場合、

 

土地購入(住宅ローン実行 土地に抵当権設定)

建物上棟時支払い(2回目の住宅ローン実行 土地に2番抵当権設定)

知建物中間資金支払い(2回目の住宅ローン実行時の資金にて支払い)

最終資金支払い(2回目の住宅ローン実行時の資金にて支払い、1番抵当権、2番抵当権それぞれに建物を追加設定)

 

というような流れでした。なのでつなぎ資金は発生しませんでしたが、土地購入と建物資金の融資時に抵当権を設定し、建物完成時には追加設定というパターンでした。まぁ銀行によって色々やり方があるでしょう。

 

つなぎ資金の金利は高いかもしれませんが、抵当権設定登記は一発で済みますし、どっちが得かと言われると比べる銀行にもよるでしょうし、つなぎ資金を借りている期間にもよりますので一概にどっちが得だとは言い切れないでしょう。

 

 

つなぎ資金はコストが高い(若干ですけど)という話は度々耳にするのですが、つなぎ資金を借りられればまだ有難い話で、つなぎ資金の対応をしていない銀行もあります。

 

人気の住宅ローンで言えば、イオン銀行住宅ローンにはつなぎ資金の取り扱いがあるようです。つなぎ資金の申請の場合、郵送でのやり取りはできませんので店舗に出向く必要があります。事前審査ならインターネットからでもOKです。無論、ARUHIのフラット35にもつなぎローンはあります。

 

住信SBIネット銀行の住宅ローンには、つなぎ融資の取り扱いはないようです。

 

 

 

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